電車のなかで本を読む(サイン入り) / 島田潤一郎 / 青春出版社
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仕事で遠方に出かけるとき必ず本を持ち歩きます。
目的地の駅やバスターミナルを降りて、まず本屋を探す。駅ビル内にある大手書店やカフェが併設された今どきの雰囲気があるブックカフェよりも、その地域の人たちの生活に隣接する、建物や本棚は古くても手入れの行き届いた本棚と、いい感じにくたびれた感のある本屋に出会えると心の中でニヤリとします。
出先というのは、それだけでなにか自分が静かに沸騰しているのでしょうか、ふだんは手にしないような本が目に入ったり、ずっと読まないできた作家の本に手が伸びたりもします。
日常から離れた土地へ行ったからこそ手にする本や、頁を開いたときに目に入ってくる言葉ががあって、その誘いに食指を委ねてみる。
出先で仕事をこなし、ご飯を食べ、移動し、また仕事をして…の合間や、夜風呂に入っているときや寝る前の30分に本を読んでいると、そのときの経験と本の内容が折り重なるようにして記憶のなかに蓄積されてゆきます。
帰宅後、本棚に並べたその本を、ふとした瞬間に再び手にしたとき、はじめてこの本を読んだときに自分がどこにいて、どんなことをしていて、なにを感じ、考えていたかということが、小さく折り畳まれた地図を開いてゆくように、現れ、広がり、思い出されます。本とは、そういう記憶の地図のような装置です。
ひとり出版社の先がけ、夏葉社の島田潤一郎さんの著書「電車のなかで本を読む」を入荷しました。
2016年から高知新聞発行のフリーペーパー「K+」で連載していたものの書籍化です。島田さんが日々電車の中で少しずつ読み進めた本たちの感想をご自身のエピソードを交えながら紹介してくれています。島田さんにとっても本は記憶の地図なんじゃないかなと想像します。
本のはじめから順番に読んでいってもいいし、パラパラとページをめくって気になったタイトルや「子ども」や「きっと」「わからない」といった偶然目にとまったことばから読み始めてもいいと思います。読んだところから世界の解像度が少し高くなってゆく気がします。
ふだんからよく本を読む人だけでなく、本をあまり読まない人にもぜひ勧めたい1冊です。
【 商品情報 】
『電車のなかで本を読む』
著者:島田潤一郎
発行:青春出版社
発売:2023年4月21日