風の便り / 小山清著 / 夏葉社
¥1,760
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「君が所帯を持ったことも、
子供が生れたことも、
風の便りに聞きました。」
の一文からはじまる文章が眩しい。
「君のよさは、ながくともに暮らしているうちに、
いつか自然にこちらの心に
映ってくるような性質のものです」
読み進めるうちに
「風の便り」の時代の空気に包まれます。
小説家小山清の随筆集。
太宰治に師事し、新聞配達、炭鉱作業員などの労働をしながら
市井の人のまなざしを持って書き続けた寡作の作家、小山清。
「僕は君をさがすと云うけれども、
本当は僕を探しているのかもしれない。
ずっと遠くへ行ってしまった僕が、
そこから、僕を呼んでいるかもしれない。」
素直で、味わい深い文章は読むだけでなく
手書きで写すとまたはっきりとした輪郭をもって
小山清の見ていた世界として立ち上がります。
ページをめくり、気になる文章があれば
ペンと紙を手にとって
まずは数行からなぞってみることをおすすめします。
その透徹したまなざしが見つめていた先を
かすめることがあったらいいですね。
高橋和枝の絵は5枚、糊付けされて挟み込まれています。
1冊1冊がオーダーメイドのような、ていねいなつくりは
ぜひ手にとってご覧ください。
(トオク店主)
[ 商品情報 ]
「風の便り」
著:小山清
画:高橋和枝
発行:夏葉社
サイズ:182mm × 126mm 123頁
装丁: 櫻井久
2021年3月25日発行