美しい街 / 尾形亀之助著 / 松本竣介画 / 夏葉社
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いつまで経っても古びない、たった一行の詩や、二行の詩。
眠らずにいても朝になったのがうれしい
消えてしまった電燈は傘ばかりになって天井からさがっている
(「いつまでも寝ずにいると朝になる」)
孤高の詩人尾形亀之助(1900〜1942)の全詩作から五五編を精選。
(夏葉社HPより)
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戦前の詩人、尾形亀之助の選詩集。
ネットで検索しても尾形亀之助について
さほど多くの情報が出てきません。
だから、目の前に現れたひとつひとつを
噛み締めるように読み進め
自分のものとしてゆく。
そうやって出会ってゆくしかない感覚は
情報過多な現代社会において
不便というよりは、貴重な経験かもしれません。
「太陽には魚のようにまぶたがない」
(昼)
「窓ガラスを透して空が光る
何処からか風の吹く日である
窓を開けると子供の泣き声が聞こえてくる
人通りのない露路に電柱が立っている」
(初冬の日)
「薄氷のはっているような
二人
二人は淋みしい
二人の手は冷たい
二人は月を見ている」
(二人の詩)
「そして何処を探しててももう夜には昼がない」
尾形亀之助の初期から晩年までの作品の中から55編を精撰。
日々を綴った日記のような短い詩が横切り
そして静寂。
情景が思い浮かび、そしてまた静寂。
挿絵には同じ時代に活躍した松本竣介のデッサン。
詩とあわせて繰り返し見ているとじわりと染みてきます。
巻末には尾形亀之助の「ファン」だという
能町みね子さんの書き下ろしエッセイが収録されています。
本棚に置いておいて、繰り返し読みたい、
夏葉社さん「らしい」本です。
(トオク店主)
[ 商品情報 ]
「美しい街」
著:尾形亀之助
画:松本竣介
発行:夏葉社
サイズ:四六判上製変形 176頁
装丁: 櫻井久
巻末エッセイ:能町みね子
2017年2月発行
2017月7月2刷