『はやくはやくっていわないで』益田ミリ(作) / 平澤一平(絵)(著), ミシマ社

¥ 1,620

3歳になる息子は、ここ最近急にいろんなことができるようになって、その度に親としてはうれしさがありますが、できていなかったときのことをしみじみと懐かしく思うときがいつかくるんでしょうね。

その日の息子にとってのできごとは、過去の何か予兆のようなものとつながっていて、今日の息子の体験も未来の息子の何かにつながっている。そう思うとなかなか広げたおもちゃの片付けができなかったり、パンツを履くのを嫌がったり、ご飯を食べないと言ってきかなかったり... ふだん生活していると目先のものごとにとらわれて、なにか1人の大人と接するように怒ってしまったり、注意してしまうこともありますが、そこはまだ3歳児。僕ら大人が思っている以上に3歳の世界はごちゃ混ぜでいろんなことが溢れていて、本人でも訳が分からないこともあるんでしょうね。きっとそういう中から息子はひとつずつの体験を拾い上げて、箸を使えるようになったり、歯磨きができるようになったり、見よう見まねでウクレレを弾き始めたり…できるようになってゆく。成長ってすごいなぁと思います。息子の今という時間を気長に見守ってゆきたいものです。はやくはやくっていわないで。
(店主)

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第58回産経児童出版文化賞受賞

きこえていますか?
この子の声、あの人の声、わたしの声・・・
「どうしていそぐ」 「いそいでどこいく」
「ひっぱらないで」 「おさないで」

この絵本には、いまを生きるわたしたちがつい忘れがちな、とても大切なメッセージがつまっています。となりにいるお子さん、大切に思うひと、そしてこの本 を手にする皆さん自身の心の声でもあります。この声に耳をふさぐことなく、しっかり耳をかたむけてみてください。自分が自分のところに戻ってくる、そんな 感じがするはずです。
読み聞かせや、声に出して読むことも、おすすめします。



--- 【 著者より本書刊行によせて 】 ------------------------

わたしの心を温かくしてくれる思い出のひとつに、小学校一年生のときの教室でのできごとがあります。

その日、クラスのみんなでくじ引きを引くことになりました。なにをもらうためのクジだったのかは忘れてしまったけれど、楽しい雰囲気だったから、きっとレクレーションの時間だったのでしょう。

担任は若い男の先生でした。順番にクジを引きなさいと先生が言ったので、生徒たちはいっせいに前に走っていきました。

だけど、わたしはグスグズしていて出遅れてしまった。クラスメイトの中で一番ビリ。

こんな最後に並んだら、もういいものなんてもらえない・・・。

そう思うと悲しくて、せっかくの楽しかった気持ちもしぼんでしまったのです。

すると、思ってもみないことが起こりました。先生がわたしのところにやってきて、みんなの前でこう言ったのです。

「一番最後に並んでえらかったな」

わたしは先生に誉められてびっくりしました。びっくりしたけど、すごくうれしかった。うれしくて、うれしくて、もう35年も昔のことなのに、思い出すと今でも温かい気持ちになるのです。

先生は、最後の子供までちゃんと見ていて、待っていてくれた。はやくはやくって言わないで、待っていてくれたのです。

励まされたり、なぐさめられたり、人はたくさんの言葉を受け取って前に進んでいく。でも、一番うれしいのって、誰かが待っていてくれたことじゃないかなとわたしは思うのです。
ながく読みつがれる絵本になることを願って。

2010年10月
益田ミリ

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