2018/01/29 10:52



去年の秋頃、移転先の物件が決まりました。場所は長野県駒ヶ根市。長野県南部、伊那谷のほぼ中央に位置し、中央アルプスと南アルプスを望む。登山や温泉の観光客も多く、東京方面からだと車で約3時間、名古屋方面からだと約2時間半の場所です。

物件はJR飯田線の駒ヶ根駅から徒歩5分のところにある雑居ビルの2階。当初は路面店を考えていたのですが、ご縁あってご紹介いただいたのがこの物件で、内見に行くと、3面ある窓からはよく陽が入り、窓を開け放つといい風が吹き抜け、その瞬間、あぁ、ここでやるんだなぁ…と思ってしまった。そのときには2階は集客が難しいとか、最初に足を踏み入れるハードルが高くなるというようなことは全部吹っ飛んでいて、それっていうのは店の形態によるところが大きいことだし、2階だから向いているお店もあるし(秘密基地を探すようにドキドキしながら階段を上がってゆく感じとか、階段の先に広がる空間の見せ方とか)、そもそもそれをやってきたのが東京での6年間(東京のアトリエショップも2階)だったと考えれば全ては準備だったとも思える。このスーパーポジティブな後付けの発想によってこの物件に決めたのでした。

これまで洗足でやっている店のことは“アトリエショップ”といってきました。そこに込めた思いは、こんなに毎日身につけて使っていて、ときには身体にまで影響を与えることのある靴に対して、多くの人がよく知らないままにデザインや流行だけで選んで、どこか自身の足に合っていない小さな不満を抱えつつ、また次の一足を買ってゆく…そういう消費の循環を一旦立ち止まって考えてみようという試みがありました。そのためには靴をつくる過程をオープンにしてゆくことが必要のように思えました。アトリエショップのドアを開けて入ってきたときにわかる革の匂いとか、棚に並べられた製作途中の靴やお客様の足の数値に合わせて修正されている靴型、その中で足を細かく計測して自身の足のことを知りながら、一枚一枚革を広げて選んだり、靴のデザインを一緒に考えたり、わからないことがあればわかるまで質問して、つくる側はそれに可能な限り答えてゆく…こういう靴を買う経験が小さな変化となって、これまでより心地よく靴を履いてでかけることにつながればいいと願っていました。これだけ色々な技術が向上し機械化が当たり前の靴づくりの現場で、手づくり靴の意義をそこに置いて取り組んできました。それが僕らの“アトリエショップ”でした。

駒ヶ根でやる店もこの延長線上にあるアトリエショップです。広さは80平米。今のアトリエショップの4倍の広さ。この広さに何を詰め込もうか。それでは実際どんな店をやるか、それはまた今度。

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東京洗足のアトリエショップは4月末頃まで営業している予定です。4月末は引越しの準備もあるのでごった返しているかもしれません。2月の下旬に1週間ほど出張していますが、それ以外はだいだい通常の営業時間通りアトリエショップをオープンしています。ふだんオンラインストアを見てくださっている皆様、東京の実店舗でアイテムを見ていただける機会は残り3ヶ月です。機会ありましたら
是非お越しください。(4月中旬以降の来店は事前のご予約をいただけると助かります)

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2018.2.23(金)-28(水)
「ひと手間のある暮らし展」@ジェイアール名古屋タカシマヤに出展します。